正直言うと、理解できない

年金改正を巡っていろいろ報道されたが、正直言ってどうしてこんなに騒がれるのか理解できないトピックがいくつかあったので、書き出してみる。

・政治家の年金未納問題
年金の制度が現実に即していないといういい例であることは確かだし、未納・未加入に対して変なコメントをする政治家がけっこういたのはわかった。しかし現状制度では、就職した会社にずっと勤め続けない限りは、たぶん年金未納をしている。わたしもこの騒動で、転職時に一ヶ月未納期間があるらしいことが発覚した。そういう制度の穴にろくろく触れず、未納政治家を次々追うのは理解できない。

グリーンピア等の、不適切な年金保険料の使い道
確かに不適切な使い道ではあるのだが、年金資産のどれだけの割合が無駄に使われたかを報じずに、「どこどこで○○億円無駄になった」という報道ばかり。どの投資信託も毎年、運用資産の1,2%は運用機関への信託報酬として取られている(MMFとかならもっとこの額は低いが)。不適切な使われ方をする年金保険料がどのくらいあって、それが全体の何パーセントくらいで、それがなかったらどのくらい年金財政が良くなっていた、という観点から報道してくれないと、例えば「現状の年金制度を手直しするのと、税方式の最低保証年金+民間の積み立て年金にするのとどっちがいいか」と考える材料にならない。

日本株での運用損
わたしは効率的市場仮説をほぼ信じている。バフェットやリンチのように、市場平均をコンスタントに上回る実績を上げられる運用機関は、ほとんど存在しないだろうと思っている。というわけで、「日本株で損した」と言われても、「そりゃ当たり前じゃん」と思ってしまう。「インデックスにこれだけ負けたんだ」と言ってくれるのなら「ほほう」と思うかもしれないが、そういう報道は見ることがなかった。