9.11と証券会社の記憶

ある意味では不謹慎な話だが、思い出したので書いてみる。

2001年8月。いくつか「○○株がいくら以下になったら知らせろ」と登録しておいたメールが、ばんばん届き始めた。「そろそろ買い始めてもいい頃かな」と、判断した。天井がどこかとか底がどこかなんて、誰にもわからない。そこで、日経平均が1000円下がるごとに、インデックス投資信託をちびちびと買うことに決めた。ついでに米国のインデックス投資信託に買い注文を出した。

テレビをつけると、WTCが炎上している。旅客機が衝突したのだという。やがて、また旅客機が衝突、炎上。やがて巨大なビルが崩れ落ちた。ペンタゴンにも旅客機が衝突、炎上。しかもまだ、消息が確認できない旅客機が10機以上いるという。ただただニュースの前に立ちつくすことしかできなかった。

その翌日。証券会社から電話が掛かってきた。「ご注文の投信ですが、米国証券市場が閉鎖されたので、購入することが出来ませんでしたのでお知らせします。」そんなこともあるのか。

日本の証券市場も暴落。次の日も軟調だったので、またインデックス投信を買うことにして、証券会社に電話を入れた。
「あのー、ほげほげ投信を買いたいのですが」
「はい、金額はいくらでしょうか」
やたらと電話の向こうの声は嬉しそうだった。よほど売り注文やら文句の電話ばかりだったのかと、一瞬同情した。
「X円分です」
いきなり受話器が切れた。はいはい、どーせゴミ投資家ですよわたしゃ。ふん。