財政再計算の内容を評価する(その1)

10/28付けのH11年版年金白書を読んで、あまりの予測のはずれっぷりに、年金問題の深刻さへの認識を新たにした。なぜH11年の再計算がはずれたか、その問題点は今年の再計算で解消されたのか、評価してみたいと思う。なお他にこのような試みがされているかどうか、まったく調べていないので、あったら教えてください。論文だと入手しずらいので、メールで連絡願います。アドレスは自己紹介に書いてあります。

前回(または前々回)の推計と、今回の推計値の違いで主なものを以下に列挙する。

項目H6推計H11推計H16推計
(1)2050年の所得代替率 62% 59% 50.2%
(2)2050年の出生率 1.80 1.61 1.39
(3)2050年の老年従属人口指数 55.6 64.6% 67%
(4)物価上昇率 ? 1.5% 1.0%
(5)賃金上昇率 ? 2.5% 2.1%
(6)運用利回り ? 4% 3.2%

被保険者数(単位は万人)の、前回再計算時の推計値と、実績値を比べてみる。(7)

年度H11推計実績
H12 3430 3219
H13 34403158
H14 3500 3214

狂いの原因の分析については、また後日。