本質は何か

「お金に関する教育」に求められそうな要素を、個人的に重要と思った順に書いていく。

  1. 自分のリソースと資源を使って一生かかって得るものを、一生かかってどう自分たちに配分していくか

結局はこれに尽きると思う。能力や知識、時間といった自分に与えられたものを、仕事という形でお金に変えて、それをどう自分・家族・友人・地域等に分けていくか。子どものうちは、小遣いの使い方や、小遣い帳をつけることでそれを覚えていく。身近な大人が、仕事の話やニュースの話をする中で、子どもが少しずつ社会について学んでいく。

  1. お金はどう社会を動かしているか

中学の公民、高校の政治経済であっても、けっこう大層なものだと思う。需要と供給が身についていれば、かなりのものだと思う。ただ座学というのは身に付かない。オークションゲームを一回やるだけでも、かなり違うと思う。バーチャル株式投資ゲームを取り入れる学校や、日経STOCKリーグ | man@bowまなぼうというイベントもある。競争や仲間の存在は、学習のモチベーションとなろう。教師一般に期待するには、酷かもしれないが、保護者の中には適格者がいるかもしれない。

  1. お金の運用の仕方

これは学校で教えてもしょうがない、と思うようになった。どこで読んだ話だか忘れたが、家庭の貯蓄額が1000万円を突破することに、リスク金融資産を持ち始めるそうだ。我が家も確かにそうであった。家計の金融資産に関する世論調査によれば、貯蓄額が1000万を越すのは少数派である。若年層に限れば、更に少数派になろう。であれば、学校で教えてもしょうがないのではなかろうか。
よく「微分なんか社会に出ても使わないから教えても無駄」とかいう人がいるが、数学は、面倒でも物事をちゃんと順序を踏んで、根拠に基づいて考えるという訓練である。えてしてこういう人ほど、論理展開が支離滅裂な文章を平気で書く。物事を順序を踏んで考える能力があるということは、この情報過多の世の中を渡るのに必要な力があるということだ。

お勧め本を紹介しておく。アマゾンの書評は辛いが、「お金は生き方」という点をきっちり抑えてある点で、ちまたのお金本とは一線を画していると思う。

この本に出てくる将来の計画に興味がある方には、この本もお勧め。
図解 一冊の手帳で夢は必ずかなう

図解 一冊の手帳で夢は必ずかなう

米国の学校では、かなり充実した金銭教育が実施されている。
http://www.practicalmoneyskills.com/index.php
その割には、高利の消費者ローンを借りたり、自己破産が多いようだ。学校での小手先の教育よりは、身近な大人の実践の方が影響力が強いのではなかろうか。