クロサギ

最近読んで面白かったマネーマンガの話。

クロサギ 1 (ヤングサンデーコミックス)

クロサギ 1 (ヤングサンデーコミックス)

この年末には四巻が出るようだ。親が詐欺で身ぐるみはがれ、一家心中するも生き残った子どもが、詐欺師のみを騙す詐欺師となる話。
実在する詐欺の手口の紹介も興味深いが、それを逆手に取る黒崎の騙し返しが実に痛快だ。読んだことのない方はhttp://www.youngsunday.com/rensai/comics/kurosagi.html:公式ページをどうぞ。

一つ面白いのは、新しいマンガであるにも関わらず、インターネットがほとんど出てこないこと。これはまあ当たり前で、話のほとんどは一発ネット検索すれば、元の被害者は騙されずに済んだであろうから。ただ違和感があるのは資格詐欺の話で、「マルチメディア実務検定」という資格の名前が出た時点でオチが読めてしまったので、「相手の詐欺師はせめてこの話に乗る前に検索くらいかけろ」と突っ込みたくなってしまった。

元の被害者がとりわけ目立つのもこの話。社労士の資格を取っただけのサラリーマンが、不動産を借りてまで開業して儲けられるかどうかは、いっぺんでも検索すればすぐわかる話だから。このサラリーマンに対して黒崎の言ったセリフ、「あんたは自分の力で考える頭を持たない限り、どんな資格を取ったって、人生には克てない−−」は名台詞だ。

IT系資格を幾つか持っている身からすれば、資格勉強は仕事の役には立つけれど、それ以上の夢を見る人の気が知れない。詐欺とは言わなくとも、首をかしげたくなる学習商法は多々ある。

  • 努力せずに英語力が伸びるとうたう英語学習法
  • 実際には少ししか英語力は伸びないのだが、TOEICの点はむちゃくちゃ上がる英語学習法
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