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並河さんのサイトはブログ本拠地も面白い。さて第三回ミニレポートの解説 | 一日一喝であるが、本職方面で気になっている業者について考えてみる。

Linuxの仕事を始めたのは最近なので、以下の記述はうろ覚え。Red Hatは以前、けっこうな価格の商用Linuxと、入門者向けLinuxをばらまいていた。ところが実際問題として、同社の商用Linuxではなく、サポートも貧弱な入門者向けの方を使う企業もけっこういたわけで。Red Hatは入門者向けをいくらばらまいても得にならないと悟り、入門者向けの方の開発とサポートを打ち切り、ばらまくのは商用Linuxの叩き台の方にしてしまった。

で、わたしが気になっているのは、開発とサポートを打ち切られた入門者向けLinuxに、セキュリティパッチを提供するというサービスである。
http://www.10art-ni.co.jp/service/rh_update/index.html
元はオープンソースなんだから、セキュリティ上問題のあるバグに対する修正版が出たら、動作を確認後、パッチを契約者に配ればよい。動かなければ「特定環境での動作保障は無理(FAQQ10参照)」で逃げられる。価格はそこそこするが、Red Hatの商用Linux(ライセンスと価格)に乗り換えることと比べればずっと安いので、顧客にとっては現状維持のメリットは大きい。

こんなことを書くとわたしの同業者からはとやかく言われそうだが、オープンソース上のソフトを売るのはややこしい。Windowsだとブルースクリーンが出て来ても「Windowsなんてそんなもの」と勘弁してくれても、「Linuxだったらオープンソースなんだから解析して直せ」と勘弁してくれない顧客もいる。一方で、導入後トラブルが起きた場合に責任転嫁する相手がいるので、Linuxより商用UnixなりWindowsを選びたがる顧客もいる。商用Unixと言ってもマイナーなものだと、こっちの開発に困ってしまう。Linuxの保証を巡るビジネスには、まだまだ余地があるのではないかと思っている。