独立開業

id:seijotcp:20050217 からトラックバックをいただき参上すると、たいへん濃い話で。人文系はまったくの守備範囲外なのだが、楽しく読ませていただいた。なんでうちにトラックバックがと思ったら、id:kwkt さんがご紹介くださっていたのだった。その後に独立話が続いているので、少し情報提供をば。
よく言われるのは、米国に比べると独立開業が少ないと言う話。
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/02/zu39.html
その原因としてチャットであがっていたのは、ファイナンスの容易さであるが、他の要因も挙げたいと思う。

  • 会社の規制の厳しさ。今でも企業の七割程度は、兼業を禁止しているそうだ。わたしの勤め先でもアウト。 金持ち父さん貧乏父さん によれば著者は、営業マンとして働く一方で副業もこなしてから独立している。兼業が可能ならば、そっちで自信をつけて独立することもできるが、いきなり独立ではリスクが高すぎる。
  • 会社の仕事のしかた。米国では、営業マンが独立事業主であることが多い*1。国土がべらぼうに広いこともあり、社員を各地の営業所にばらまくよりは、各地の独立営業マンを確保するほうが合理的という事情もあるようだ。一人が、複数の会社の営業マンを兼ねることも多いらしい。SFA*2ソフトが、米国でよく使われても日本で使われないのはこういった事情によるものであろう。
  • 夫婦の所得の差。夫婦の片方にある程度の所得があれば、もう片方はかなりのリスクを取ることが出来るが、片方の所得が少なければ、もう片方はたいしたリスクは取れない。よって日本では、夫の開業が抑制される。
  • 遺族年金制度。夫が会社員と自営業者では、遺族年金が大幅に違う。なんでも、自営なら夫が死んでも商売は続けられるだろうということで少ないらしいが、夫の職業にもよるだろうに。というわけで独立は余計リスクが高い。

*1:日本でも、年金負担逃れのために増えているようだが。

*2:Sales Force Automation.ITによる営業の効率化