JR西日本の株主は怒れ

どうも規制の多い業種の株は怖くて買ったことがないのだが、今回のJR福知山線脱線事故がらみの議論で「民営化したからだ」論調が気になって、JR西日本の決算短信に目を通してみた。
まずはできたての昨年度の分。4/27発表(事故は25日)の短信には、P34に「平成17年度の主な取り組み」と称して鉄道事業の重大事故の再発防止・撲滅が謳われている。次に昨年度の分を見ると、P32に「平成16年度の主な取り組み」とあり、鉄道事業の安全安定輸送の確立に向けた取り組みの強化(事故の未然防止に向けた取り組み)が謳われている。その中身に、いかに実践が伴っていないかが、今回の事故で露呈した。

毎月15日の「安全推進の日」の取り組み、研修等における「安全教育」の更なる充実等を通じ、引き続き社員の安全意識の高揚を図る。

制限速度はぶっちぎりでオーバーしているわ、車掌は何もしないわ、JR西日本は110番もしていないわ、通りがかりの中年女性が踏切の非常ボタンを押したから(信号の故障説もあり)、北近畿3号が脱線車両に突っ込む前に止まれたから良かったものの、この人がいなかったら死者が倍増していたかもしれない。どこらへんが安全教育なんだ。

事故の未然防止に向け、過去の事故原因を踏まえた対策の徹底を図るとともに、潜在的危険要因の発見など、予兆管理活動の強化に取り組む。

オーバーランの多発を予兆と見た国土交通省をスルーしたでしょうが。

宝塚線へのATS-P 形の導入、踏切障害物検知装置の設置、琵琶湖線長浜・草津間、JR神戸線西明石・姫路間への運行管理システムの導入など、重大事故を防止するためのハード対策を着実に進める。

株主への公約どおり、昨年度中に問題の福知山線(=JR宝塚線)にATS-Pを入れていたら、この事故は避けられたと村上安全推進部長は述べている*1。だったら株主への公約をさぼった挙句に大減益となったわけで、株主訴訟を起こされてもしょうがないのではないか。

脱線事故に関係がないのは「今年度予定されている大規模線路切換工事を無事故で完遂する。」くらいのものだ。

もうすぐ株主総会の案内状が届く時期だが、JR西日本ホルダーの方には責任追及をお願いしたい。