客を減らしていないか、AIU生命保険

子どものコストについて有名な数字の一つに、AIG損害保険株式会社 - AIG損保 公式サイトがある。このたび2005年版が発表されて、あちこちで「子ども一人で3000万だって」と話題になっているようだ。2005年度版は概要版しか発表されていないが、そんなに2001年度版とは違わない数値である。しかし中を見るとかなり変な試算だと思うので片っ端から突っ込んでみる。

  • 子どもに対する給付・控除がごっそり落ちている。例えば子どもが生まれれば健康保険から30万円貰えるが、そういう数字は入っていない。
  • 育児用品を、レンタルがメインのものや、他の物で代用が効くもの、母乳育児なら不要なものまで、自腹で購入することになっている。しかもデパートで。
  • 食費等について、子ども一人につき「一世帯平均○○費 ÷ 一世帯平均人数」だけかかることになっている。ここでの「一世帯平均」は、単身世帯や大人だけの世帯も含むので、例えば独身女性のいる世帯だと被服費はかかるだろうし、成人だけの世帯は食費が大目だろう。中高生なら制服がある学校に通っていれば、被服費は低めで済むだろうし、子どもが複数いれば、お下がりも使える。実際の子ども一人あたりの○○費よりは、この式の数値は多めになるはずだ。
  • 子どもの医療費は、所得制限はあるが、現在ではかなり免除されている。詳細はhttp://www1.doc-net.or.jp/~babynet/参照のこと。「一世帯平均医療費÷一世帯平均人数」だと、医療費の掛かる高齢者に引っ張られて、一人あたりの額が多めになるのは食費等と同じ。
  • 大学生の小遣い額として、仕送りの平均値(月6万強)が使われているが、自宅生でそんなに大学生に小遣いを渡す親なんているんだろうか(@_@)。
  • 「大学生の電化製品所有状況の平均価格の合計」って、一人暮らしだったらそりゃ冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・掃除機・テレビ・CDくらいは持っているだろう。
  • 小学校に入るからって、服を新しく買って、机を買う家は賃貸組では少数派では。ランドセルも3万以上?(@_@)。
  • 大学生が月平均二万も稽古事に払っているのなんだ? 学生さん教えてください。(_o_)

作っている側は、「ほら、子どもにはこんなにお金が掛かるんですから、子どもが生まれたら保険金を増やしましょう」というつもりなのかもしれないが、「そんなにお金がかかるんだったら子ども作るのやめておこう」って感じになりそうだ。