年金問題の書籍

年金問題タスクフォースのサイトで紹介された本を二冊読んでみた。どちらの本も最近良く出ているらしい。見つけるのに苦労した。どっちの本もアタリなので紹介する。

年金大改革―「先送り」はもう許されない
年金に株を入れるなという主張の部分は、株式投資経験者としてはどうも納得できなかった。P133に米国での議論の一部として、「株式と債券の収益率の相関関係を調べた実証研究も、政府による株式への投資を支持しない」とあり、そのような研究があるとすれば、もっとも強力な論拠になるので紹介してほしかった。
残念なのは、共働きが多数派であると指摘しているのに、シミュレーションされていないことである。丁寧に議論を進めているだけに、この点惜しまれる。

信頼と安心の年金改革
非常に平易に噛み砕いてあるが、さらっと「水平的公平」という言葉が出てくるあたり、経済学をぜんぜん知らない人には取り付きにくいかもしれない。
各国の制度を丁寧に説明してくれているのがありがたい。わたしは一時期チリの年金改革の信奉者だったので、同国の説明は非常に興味深かった。