これは三連休かけて読み込まねば(後編)

一昨日・昨日に続く「年金の誤解」シリーズ最終回。
まずは高山氏への突っ込みの感想の続き。厚生年金保険料の引き上げが、賃下げや解雇につながらないという主張には首をかしげる。昨秋の保険料引き上げの分だけ税込み給与が下がったと言う話を聞かない、というのがその根拠なのだが、「賃金の下方硬直性について」調べてみてください、と言いたい。年金逃れ事業所を取り締まれ、というのはまったく同感だし、そういう会社はろくでもない会社なのだろう(http://kuresr.livedoor.biz/archives/13636693.html参照)。だけど取り締まりの実効性は、台風が来ているのに砂の堤防を作るようなものだろう。今ですら雇用はぐしゃぐしゃで、かつてオウム真理教関係者が働いているのに気が付かなかったとか、富士通の五次下請けが防衛庁のネットワーク図を流した事件もあった。東京労働局の調査結果などひどいものだ(http://www.roudoukyoku.go.jp/news/2004/20041224-haken/gaiyou.html)。
基礎年金を税での主張に、こんな大増税は出来ない、とあるが、高山本をめくると年金税導入と引き換えに社会保険料負担が減る、という話が抜けている。これは高山氏のミステイク。
民主党の、年金一元化スウェーデン型年金制度への移行案に関する突っ込みは、かなり的を射ている。ぜひ民主党は更に勉強して、よりよい年金法案をぶつけて欲しいものだ。でも「最低保証年金はミーンズテストが不可欠だからダメ」と「女性の所得比例年金が低くなる」は構わないんじゃないかと、個人的には思う。そりゃ年金を貰うのに生活保護並みのミーンズテストが必須となれば反対だが、今だって介護保険の保険料・認可保育園の保育料・義務教育の就学援助あたりは所得を示す必要があるわけだし。