高額所得者は年金を払うな?

元祖しゃちょう日記:高額所得者は年金を払わないでください。 - livedoor Blog(ブログ)より、高額所得者は年金の掛け金を払わずにその分税金を多く払い、年金給付を受けない方が国はトクではないのか、という主張。

ところでひろゆき氏のロジックには、次のように反論したい。

  • 以前は、年金を払っていないのに、その分を払ったとして確定申告することが可能であった。来年からはできなくなったが(参考リンク)。
  • そんなに国にお金を余計に払いたければ、国や地方自治体に寄付すれば良い。年金を未納にする必要はない。
  • 年金給付は、申請しないと貰えない。そんなに年金財政に貢献したければ、年金を貰わなければよい。

ついでに数字については、自分でも試算することにしてみた。ここで年金と言っているのは国民年金のことのようだ。
まず国民年金掛金を払うのが、2004年度から2028年度と仮定する。この間に国民年金保険料はずるずると上がっていく(参考リンク)ので、掛金総額は477万480円となり、これを払わないことにより最高税率の高額所得者なら238万5240円余計に税金を払うこととなる。なお面倒なので、この間物価変動はまったくないものとして計算した。この人に勤め人でない配偶者がいると、二倍する必要がある。

国民年金保険料を払わなかった高額所得者が余計に払う税金は、25年間で238万5240円。

さて、この人が貰い損ねた年金給付は、年79万4500円であるが、問題はこの人がいつまで生きるかだ。現在の平均寿命は男78、女85であるが、将来はもう少し延びているらしい(参考リンク)が、とりあえず85まで生きると仮定すると、給付額は1589万円となる。

国民年金を貰い損ねて損する金額は、20年で1589万円。

国民年金の給付額を一定にして計算してよいかどうかは迷った。