今日も本を二冊買った

年金をとりもどす法

年金をとりもどす法

社会保険庁職員による、年金トリビアの集大成。まあよくもいろいろ制度や特例がぐしゃぐしゃにあるものだと、感心するほかはない。社労士の教科書を見ただけでめまいがするのに、実際の制度は更にわけわからんわ、謎の抜け道だらけだわの有様。このシミュレーションプログラムを書くんだよな、わたし。うげー。
経済論戦の読み方 (講談社現代新書)

経済論戦の読み方 (講談社現代新書)

http://reflation.bblog.jp/entry/111329/からトラックバックをいただいた記念に、同氏の最新刊を購入。論旨はすっきりしているし、読みやすいのだが、一点だけ突っ込ませて欲しい。いわゆる「エコノミスト」には、専門的経済学者、政策プロモータ、日常経済学者(素人経済学者)がいるという。

三番目の日常経済学者とは、いわば、ふだんテレビや新聞などの経済報道に関心を持つ人々のことであり、まさに今日のエコノミストたちの議論の混迷によって一番の被害を受けている人たちであろう。(P15より引用)

一番の被害者はわたしのような日常経済学者ではなく、不適切な経済政策のアオリを食らう日本国民であろう。

わたしが日常経済学者の仲間入りしたのは、株式投資を始めた1995年暮れのことだ。当時、抜群の人気を誇ったエコノミストは、リチャード・クー氏であった。というわけで同氏の著書を買ってみたわけだが。

投機の円安 実需の円高

投機の円安 実需の円高

本を開くとまず、「どのマクロ経済学の教科書にも間違っているIS-LM分析は間違っている」という話が延々と展開し、とにかく公共事業だという話で終わる。いくら経済学を学んだことのない元理学部落ちこぼれ学生のわたしでも、「これって『相対性理論は間違っている』系のトンデモ物理学本のお仲間?」と思うわけだが、その感想を裏付けてくれる人はいないわけで。こうした論が野放しになることが、不適切な景気対策を招いたのではないか。

適切な経済政策が運営されるためにも、今後とも、専門的経済学者の方々には、政策プロモータによるプロパガンダのわかりやすい批判をお願いしたいと、日常経済学者の一人としてエールを送りたい。

あと徒然なる数学な日々さんに、この本のキャピタルフライト批判を読んでいただきたいので、そちらにもトラックバックします。